「医療費の棚卸し」は未来への投資！レシート1枚で純資産を増やす簡単なステップ
医療費控除の基本：知らないと損する家族合算のルール
医療費控除は、払い過ぎた税金を取り戻し、あなたの純資産を増やすための強力な制度です。面倒だと放置するだけで、確実な「得」を毎年手放していることになります。
医療費控除とは？税金が戻ってくる仕組み
私たちが毎月の給与から天引きされている所得税は、1年間の収入に対して概算で計算されています。しかし、国はあなたが個人的にどれだけ医療費を支払ったかを知りません。
医療費控除は、「医療費というやむを得ない出費が多すぎた分、税金の負担を減らしてほしい」と自己申告することで、所得から一定額を差し引いてもらう仕組みです。
所得（収入）が少なく計算されると、それに応じて納めすぎた税金（所得税や住民税）が還付金としてあなたの口座に戻ってきます。
払い戻しの手続きは、前回の記事で解説した確定申告（還付申告）によって行われます。この制度を活用することで、高額な医療費を支払った年でも、家計への負担を軽減し、手元に残るお金（純資産）を増やすことができます。
- 医療費控除の仕組み
- 1年間（1月1日～12月31日）に支払った医療費の合計が一定額（原則10万円、または所得の5%）を超えた場合、超えた額に応じて税金が戻ってくる制度
若い世代にとって、年間の医療費が10万円を超えるのはハードルが高いと感じるかもしれませんが、出産費用、高額な歯科矯正、夫婦や子どもの通院などを合算すれば、想像以上に到達しやすい金額です。
最大のポイント！「生計を一にする家族」のルール
医療費控除の最大のメリットは、申告者一人に「生計を一にする家族全員分」の医療費を合算できる点です。
「生計を一にする」とは？
同居している家族はもちろん、単身赴任の夫や仕送りをしている学生の子どもなど、経済的に同一の家計で生活している家族を指します。
終活との関連性
あなたが家族の医療費を申告者として一元管理することは、将来的な家計の出費（資産の流出）を正確に把握することにつながります。これは、「お金の終活」の非常に重要な土台となります。
知られざる「得」！どこまでが医療費控除の対象になる？
医療費控除の対象は、皆さんが想像する「病院の診察代」だけではありません。見落としがちな出費こそが、控除額を押し上げるカギになります。
病院・治療費以外で対象になるもの
- 歯の治療費：
- 美容目的ではないインプラントや高額な矯正治療、金歯などの費用も対象です。これは一気に控除のハードルを下げる要因になります。
- 薬代：
- 薬局で購入した市販薬（風邪薬、胃薬、湿布など）も、治療や病気の予防目的であれば対象になります。
- 介護費用：
- 将来的に親や家族の介護サービスを利用した場合の費用の一部も対象です。
対象となる市販薬や詳細リストについては、[個別記事：医療費控除の対象となる市販薬リスト]で詳細を確認し、家にある薬のレシートを見直してみましょう。
忘れがちな「交通費」も対象に
病院や通院に必要な交通費も、控除対象になることを知っていますか？
- 対象となる交通費：
電車やバス代など、最も合理的で一般的な方法を利用した場合に限ります。 - 重要点：
電車やバス代は原則領収書がありません。そのため、日付、利用区間、金額をメモに残しておくことが申告の条件になります。 - 対象外となるもの：
自家用車のガソリン代や、駐車場代は対象外です。
【実践編】取り戻せる金額をシミュレーション＆計算方法
控除額の簡単な計算方法
医療費控除でいくら「得」をするか、以下の計算式で把握しましょう。
医療費控除額 = 年間支払った医療費合計 – 10万円※1
※1：所得が200万円未満の場合は「所得の5%」を差し引きます。
この「医療費控除額」に、あなたの所得に応じた「税率」を乗じた金額が、還付金として戻ってくることになります。
「いついくら戻せる？」は人によるが、過去に遡れるチャンス
医療費控除の申告は過去5年間に遡っていつでも提出可能です（還付申告）。
もし過去5年の間に高額な医療費を払った年があるなら、今すぐに申告書を提出するだけでお金が戻ってきます。
-
- Aさん夫婦2人で年間8万円くらいの医療費だから、諦めてたんだよね…
-
- 先輩待って！過去5年間に歯の矯正や出産はなかった？
-
- 先輩例えば4年前に出産費用で50万円かかってたら、家族全員の医療費を合算して申告すれば、その年の分で一気に大金が戻ってくるよ！
-
- 先輩まずは過去5年分の領収書を引っ張り出してみよう！
-
- Aさん出産費用は全くノーマークだった…早速探してみる！
医療費の領収書こそ「未来の終活リスト」である
医療費控除のための領収書整理は、単なる「節税のための作業」で終わらせてはいけません。これは終活における「健康と財産」を繋ぐリスト作成なのです。
領収書整理は「家族のための資産リスト」
医療費控除の書類は、単なる申告書類ではなく、万が一の際、「家族の健康状態」や「通院履歴」を把握するための重要な記録になります。
- POINT
- 領収書をきちんと保管し、エンディングノートにその所在を記しておくことは、あなたの健康情報を家族に正しく引き継ぎ、将来的な病気の早期発見や保険金の請求をスムーズにするための、家族への深い思いやり（終活）
家族の負担をゼロにする「保管術」
医療費の明細は細かく数が多いため、適切な保管術が必要です。
推奨される方法
医療費は「申告年ごと」に分け、「病院名」「患者名」「金額」を記載した集計メモを添えて、紙の領収書と一緒にファイルに保管する方法が最も確実です。
終活との連携
紙の領収書を保管するためのファイルと、資産・負債の情報をまとめるエンディングノートを隣り合わせて保管しておけば、家族が探す手間を大幅に減らせます。
まごころ終活では、こうした重要書類の保管に最適な更新性の高いリング式ファイルのエンディングノートをご案内しています。
まとめ：お金と健康、両方守るために今すぐ動こう
医療費控除は、過去5年分の家族全員の出費を見直すだけで「得」につながる。
治療や病気の予防目的で購入した「市販薬（風邪薬、胃薬、湿布など）」も医療費控除の対象になる可能性があるので、申請は無料なので、ぜひ実践してほしい「節税終活」です。
領収書の整理は、お金（税金）を取り戻すと同時に、家族の健康情報を守る立派な終活です。
「生計を一にする家族」全員分の医療費を合算し、過去に遡って確実に税金を取り戻しましょう。
今すぐ行動できることリスト
- 過去5年分の病院、薬局、高額治療（歯科など）の領収書を全て集める。
- 通院時の電車・バス代をメモに残しているか確認する。
- 家族全員の医療費の合計が、10万円（または所得の5%）を超えていないか計算してみる。
- 「自分のケースで控除できるか知りたい」「複雑でよくわからない」と思ったら、まごころ終活の終活の無料相談を活用する。
